NISA口座ではない特定口座や一般口座では、上場株式等の譲渡損失は、譲渡益や配当金と損益通算できます。また、損失を翌年以降3年間、繰越することができます。(No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除)
これに対してNISA口座はどうなっているかと言うと、
ポイント①
NISA口座の場合は、配当金と譲渡益は非課税となる一方で、譲渡損失はないものとされます。譲渡損失がでたとしても繰り越すことができません。
例えば、特定口座で、100万円で購入した株を60万円で売却して40万円の譲渡損失は翌年に繰越し、翌年に譲渡益70万円があった場合に40万円を相殺して30万円に課税されます。 NISA口座で、100万円で購入した株を60万円で売却して40万円の譲渡損失は、繰越すことができませんが、翌年譲渡益が70万円あった場合には、その70万円は無かったことになり、課税されません。
ポイント②
特定口座や一般口座で保有する他の上場株式等の配当金や売買益等との損益通算はできません。 例えば、特定口座で+50万円、NISA口座で△50万円がでます。これらの口座の通算ができませんので、特定口座の+50万円だけが生きて、50万円に20%課税されます。反対に特定口座で△50万円、NISA口座で+50万円がでます。特定口座の△50万円だけが生きて、50万円が翌年に繰り越しされます。
ポイント③
NISA口座から、特定口座や一般口座に移管した場合、移管したときの時価を取得価額として付け変わります。
例えば、100万円で購入し、NISA口座で5年間運用したのち、特定口座に移管した場合には、取得価額は移管時の時価80万円になります。その後に90万円売却した時は、取得価額80万円を90万円で売却したことになり、10万円の譲渡益となり、課税になります。100万円で購入し、90万円で売却して課税されることになります。