土屋税務会計事務所

税に関するコラム

【失敗しない節税対策】法人の全損保険を検討する!

法人の節税対策と使われている法人保険ですが、実際に得なのか検討してみます。
全損型の法人保険とは、支払った保険料の全額が損金になる保険のことです。その返戻率の最大値約85%です。

解約時は益金となるため、解約時の対策が必要となります。一般的は退職金で支払うことが多いです。

退職金で支給されることのメリット

退職金で貰った場合 給与・賞与で貰った場合

退職所得控除
20年以下 40万円 × 勤続年数
20年超 800万円 + 70万円 × (勤続年数- 20年)

給与所得控除はあるが、220万円まで
既存の給与所得があれば、ゼロ。
1/2課税 給与・賞与には1/2課税は無し
健康保険・社会保険が課税されないこと 給与・賞与ともに課税される

設例で解説

A社
毎年1,000万円の課税所得 
10年後に社長が退職予定であり、全損型の法人保険に加入し退職金の原資を積み立てる

全損型の法人保険に加入しない場合

1~9年目
課税所得 1,000万円 法人税等245万円 差引手残り755万円
755万円×9年=6,795万円

10年目  
1,000万円(退職金を払うので課税所得がマイナスとなり税額はゼロ)

差引手残り6,795万円+1,000万円=7795万円 → 退職金として払える金額

全損型の法人保険に加入した場合 

1~9年目
保険料を支払う前の利益 1,000万円 保険料1,000万円 課税所得 0円 
法人税等0円 差引手残り0円
 0円×9年=0円

10年目  
保険料を支払う前の利益 1,000万円 保険料1,000万円 解約返戻金1億円×85%=8,500万円
退職金 8500万円 → 退職金として払える金額

一見すると加入したほうが有利に思えるが続きあるが・・・

跡継ぎが居る場合には、加入しないほうが有利

加入しない場合 
11~16年目 所得1,000万円 欠損金6,795万円 法人税等 0円
17年目 所得1,000万円 欠損金795万円 課税所得205万円 法人税44万円
18~20年目 所得1,000万円  法人税245万円
合計 所得1億円 法人税779万円 差引手残り 9,221万円

加入した場合  
11~20年目 所得1,000万円 法人税245万円 
合計 所得1億円 法人税2,450万円 差引手残り 7,550万円

跡継ぎが居る場合には、全損型の法人保険に加入して退職金を積み立てておかないほうが有利になります。

全損型の法人保険のデメリットは、余力資金の減少

全損型の法人保険に加入するということは、その分だけ保険料を支払うことになり手元資金がなくなります。

会社を経営するのに重要なファクターとして、人・物・金と言われます。保険料はその金を失うことになります。

言い換えるならば、経営資源を失って会社の競争力が低下する恐れがあります。

しっかりとした出口戦略が無ければ、全損型の法人保険はお勧めいたしません。


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投稿日: by 税理士 土屋 雄志.

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